在宅を利用している方の持病について紹介します

query_builder 2025/05/05
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在宅を利用している方の持病について紹介します

エルシードでは、在宅支援・通所の方でうつ病の方が多く在籍しております。

利用者さんにうつ病についてお聞きしました。




うつ病は一度罹患すると、いつ治るのか分からない病気です。「治る」という言い方は間違いでした。いつ症状が再び現れてしまうのか分かりません。体調が落ち着くだけなので「寛解」といいます。 いつ、睡眠時間を削って長時間、苦しい仕事を送る人が多いと言われている現在では、誰がいつ発病してもおかしくはありません。私は清掃や品出しのアルバイトを2~3年ずつ続けたので、偉そうなことは一切言えません。現在も、日中は文章をゆっくり書き、夜は早寝遅起きをする悠長な生活を送っています。そんな私でも、こう見えてうつ病で苦しんでいる一人です。 これからうつ病について書きますが、発達障害も多く取り上げます。発達障害の症状の中には、私に当てはまらないことが多々あります。そのため、多くの偏見が入ってしまっています。失礼なこともたくさん書きます。自分のこともたくさん書きます。読んでいてイライラすることもあるでしょう。 主な内容は、「人間の脳の作り」と「発達障害」との関係。そしてなぜ「うつ病を発症してしまうのか」についてです。本で得た知識をもとに書きました。長いけれど、うつを発症するメカニズムを知ると、自分を責めなくなるので、正直に言うと、自分のために書きました。   内容 1.   今まで体験したうつ症状 2.     境界知能と発達障害がうつ病につながっていた 3.   10万年間、ASDとADHDは大切な存在だった 4.   コミュニケーションが生きる術の現代強いストレスが続くとうつを引き起こすメカニズム 5.   うつ症状は体を守るために起こる。 6.   うつ病に向かっていることを示す体のサイン 7.   サインを見つけたらどうする?     1.私が体験したうつ症状と経歴 私は10年以上、うつ症状と闘ってきました。しかし去年、このうつ症状はASDとADHDと境界知能という脳の特徴が原因で引き起こしていた二次障害だと分かりました。まずは一番苦しかった高校3年の頃を中心に、症状を挙げていきます。   まず文字が読めない。一文を読もうとしても全く記憶ができませんでした。「聞いた言葉が右耳から左耳に抜けていく」という比喩のように、「目に入ったひとつひとつの文字が、すぐに頭から抜けて行ってしまう」、そんな状態でした。そのため、一つの文すら読めませんでした。(全く分からないアラビア文字を読んでいるような大変さでした。) 受験生だった私にとって文字が読めないことは致命的でした。かつては先生に褒められるような点数のテストも、ひどい点数(一桁)を取ってしまい、注意を受けました。 読書は好きですが、全く本が読めない。本屋に行くと、本に囲まれた空間に幸せを感じるのに、今は文字だらけで気持ちが悪くなる。文字が読めないと楽しい事も苦痛になります。 つぎに涙が勝手に出てくる。家にいるときだけでなく、授業中も、通学で電車に乗っているときも、自転車に乗っているときですら涙が出ました。場所と問わず涙が出てしまうので、常に恥ずかしく、泣いているのを必死に隠していました。 そして強い倦怠感がありました。授業中、座った状態で上半身を起こしていることがとても苦痛でした。インフルエンザで高熱を出しているときと同じ怠さです。授業が終わると、すぐに机でぐったりしました。帰宅後はその日の疲れが限界に達して、ベッドに倒れるように横になっていました。一度横になると、一切起き上がる事が出来ませんでした。まるで地球の重力が何倍にもなってしまったように感じていました。決して広くない家でも、起き上がることが出来ないので、トイレや浴室、リビングへは這って向かっていました。もちろん、自宅の勉強机に座って勉強することもできませんでした。そして学校へは毎朝、何が何でも通っていました。強い鞭を自分に打って、必死に学校へ向かいました。一度休むと、もう決して学校に行けなくなると感じていたからです。 そして強い悲しさです。楽しくてようやく自分の居場所を見つけられた部活も、笑わせてくれようとした貴重なクラスメイトがいても、とにかくどんな状況でも悲しさが勝ってしまい、全く笑うことが出来ませんでした。 希死念慮がありました。悲しさや倦怠感といった苦しさを誰にも打ち明けられず我慢しているうちに、死にたい気持ちが少しずつ湧いてきました。日に日にその気持ちは強くなり、本当に死にたくなって、その方法をスマホで調べていました。しかし死ぬ勇気も、楽に死ねるための道具を買うお金もないので、「死にたい」と思うと同時に「消えてしまいたい」と強く願うことしか出来ませんでした。そのうち、何も考えられなくなって、周囲に流されるまま文化祭の実行委員長になってしまいました。何も考えられないので「何もしない人」として呆れられてしまいました。それが原因か、さらに学校で孤立しました。孤立している時点ですでに苦しかったのですが、うつ症状でさらに苦しくなり、いじめも加わり、もはや生きている方が不思議でした。死に方や、うつ病の症状、他人の接し方などをスマホで調べていたところ、「スマホの使い過ぎだ」と母親からスマホを取り上げられてしまいました。ASD特徴から、私はその状況を言葉にすることができず、さらに苦しくても表情に現れにくいので、誰にも助けを求めることが出来ませんでした。 そんな状態でも、高校はギリギリで卒業しました。1~2年生の成績で「指定校推薦」という制度を担任から勧められ、流されるまま大学に進学しました。大学までは電車とバスで通学していました。しかし常に車内では私の悪口(「気持ち悪い」「臭い」など)が聞こえました。今思うと、幻聴だったのかもしれません。 大学の試験では、進級に必要となる必須科目がいくつもありました。たくさんの科目の勉強をしないといけなくなったと私は、どの教科から手を付けていいのか分からず、パニックになりました。再び文字が読めなくなり、試験が近づくと大学に通うことが出来なくなりました。試験を受けに行けず、すべて必須科目の単位を落とし留年しました。膨大な奨学金もあったので、退学するしかありませんでした。 大学を中退する直前、私は通学できないことを大学のカウンセラーに相談しました。そしてアドバイスのもと、心療内科に通うことにしました。 心療内科では、毎回心と体の事を訊かれました。眠れているか、食欲はあるか、死にたい気持ちはあるのか、悲しいさや不安はどの程度あるのか…といった事です。「悲しいです。集中力がありません。微熱が続きます。」似たようなことを毎回答えていました。こちらもASDの特徴で自分の体調がうまく伝えらず、薬が効いていないと思われたようで、心療内科に通うたびに薬の量や種類が増えていきました。薬を飲み続けてもうつ症状は続きました。悲しさや不安が軽くなったときもあったけれど、症状が全くなくなることはありませんでした。大学を中退したあとは、アルバイトを週に2~4日した生活が6年続きました。アルバイトをしていても、「帰ったら死のう」など考えてしまうことが多々ありました。自律神経も乱れてしまい、食事に行くと数時間後に吐き気が出てしまいました。一日、いや一時間後の体調が予測できませんでした。気晴らしにも行けません。日中、少し元気になったと思えば、夜には強い希死念慮。落ち込みが強いときに友人の結婚式に招待されたけれど、返信する気力がなくて、行けないこともありました。見た目では調子が悪いことが分からないので、結婚式に行けなかったことは友人や周囲の大人からひどく言われ続けました。 文字が読めず、情報が頭に入ってこない。動けない。経済面での不安は余計に体調を悪くする。そのため金銭的不安な問題を軽減してくれるような、自治体や国の制度を調べたり活用したりできませんでした。 あるとき、バイト先に社員が異動してきました。フリーターであると同時に、自分の体調の事を伝えると「どうしてうつになったの?」と聞かれました。そこで私は言葉が詰まりました。なんとなく生きづらいとだけは自覚していたけれど、それがどんな理由で何に困っているのか分かっていないことに気付きました。体調が安定して文字が読めるようになったので、試しに発達障害の本を読んでみました。久しぶりの読書でした。その本には、発達障害のマイナーな特徴が紹介されていました。それは、私が幼少期から漠然と感じていた辛さを言葉にしたものでした。何をするにも時間がかかること。たくさんのタスクがあるとパニックになってしまうこと。自分の意志がほとんどない事。他人に対して恐怖を感じていた事実。自分の状況を言葉に出来ないこと。そして孤立してしまうこと。 自分の脳が少し周囲を違うことを認識したうえで、アルバイトで月に数万円稼ぐことが限界の自分が、社会で生きていけるようになるためにはまず自分の事を知る必要があると思いました。そして26歳で発達障害の検査を受ける決意をしました(検査を受けられる病院を探すのも大変でした)。 検査の結果は、知能が平均よりほんの少し低い「境界知能」であること。発達障害(ASDとADHD)があること。それらが原因でうつ病になっていたこと。たくさんのことが検査で分かりました。 2.境界知能と発達障害がうつ病につながっていた 私が調べられた検査には知能の検査がありました。知能を調べるには処理速度、作業記憶、言語理解、知覚推理の4種類がありました。処理速度は、脳に入ってくる情報を処理する能力、言い換えると「脳の瞬発力」のことです。一方で作業記憶(ワーキングメモリ)は、情報を一時的に憶えておく能力です。耳や目から得た情報の欠片一つ一つを、次の行動のために置いておくデスクとも例えられています。言語理解は、聞く、話す、読む、書くといった言葉を操る能力のことです。言葉のインプットやアウトプットの能力とも言えます。文章を読み取る。話の内容を理解する。情報を文章にまとめる。文法や語彙を使って考えや気持ちを表現する。文字が読めない、文章が理解できなくなってしまったのも、言語理解が低下してしまったからでしょう。知覚推理は目から入った情報をもとに、今後どうなっているのか推理・把握する力です。「今、こういう状況だから、きっとこれから、このような行動をすればいい」と考える能力です。 もともと全体的に知能がやや低かったことが原因で、コミュニケーションが苦手と判明しました。そのほかにも状況を判断して行動することも苦手だったことが分かりました。こういった「苦手なこと」が学校生活やアルバイトで障壁となっていました。しかし苦手でも必死になればできることもありました。 苦手なことを避けられない環境で頑張りすぎて脳が疲れ、余計に知能が低くなり、苦手な事が強く表れてしまう。苦手になってしまったことを頑張ってカバーしようとする。そんなサイクルが続いてうつ病になったようでした。   境界知能に加えて、「ASDとADHD」と発達障害であると判断を受けました。ASDは境界知能と相まって、話すことが苦手、そして話す内容がぐちゃぐちゃ。ADHDの診断が下りたことにはびっくりしましたが、脳の中で考え事が止まらない特徴がそうだったのかもしれません。私の場合、学校や仕事で、境界知能とASDとADHDが複雑に混ざりあうことで生きづらさを感じていたようです。そしてその生きづらさが年々も何年も蓄積されていたのでした。 具体的な例だと、怒っている人や大きな声の人がいると、まるで自分が怒鳴られているように感じてとても怖くなる。/どうしても興味が持てない授業の教科や仕事内容では、頑張っても聞く意欲や動く意欲、集中力が無くなってしまい、強烈な眠気に襲われる。/一方で、興味があることには何時間も続けてのめり込んでしまう。とても寒かったり暑かったりしても気になりません。そして風邪をひきます。/こだわって丁寧に行ってしまい、いつも作業が終わらない。/(何度か挙げてしまいましたが、)自分の意見がしっかりしていないので、他人の意見に流されやすく、自分で判断することが苦手。/「これを何時になったらここに置いて。」という程度の内容でないと、初めて受けた指示が理解できない。/指示や状況が分からないとパニックになる。でも何がどのように分からないのか、自分でも理解できない。/とっさに言葉が浮かばないので、他人との雑談が苦手。/話すときは、単語の順番がぐちゃぐちゃで、うまく伝えることができないこと。/相手が何を話しているのか理解できないことが多い。/頭の中ではひとりごとが止まらず、脳が疲れてうつの原因の一つになる。   他人といるとこのような状態が続くので、学校や仕事では「休む隙間がなく、常に気を張りつめたままの状態」が続きます。知能の低さをカバーしようとして頑張っていることもあり、いじめや仕事が忙しいといった特別な理由が無くても、あるとき糸が切れたようにうつ状態になるようです。   3. 10万年間、ASDとADHDは大切な存在だった 発達障害の診断を受けた後、ASDやADHD、境界知能など、「脳」に興味を抱くようになりました。発達障害とは関係なく、見つけた『スマホ脳』という本をなんとなく読んでみました。すると、一気に時代が変化していることで、発達障害や境界知能による苦しさも一気に強くなっていることを知りました。現代の生活はあまりにも、生きるに設計された人間の構造と合わないものだからです。    10万年前、人間は狩猟採集の生活を送っていました。 建物やコンクリートの道路が全く存在しない、見渡す限り平原。今ではクマが出そうで、とてもじゃないけれど怖くて行けない山の中。そんな環境のもとで人間は10万年間、ずっと生活していました。それが人間にとって当たり前の生き方でした。人間の脳や体は、その生活に合わせて構成されています。 子どもの頃に見た番組では無人島で芸能人がサバイバル生活を送る、というものがありました。芸能人がツタの生い茂った山中を必死に歩きまわる場面では、あまりにも無謀に見えてハラハラしたのを覚えています。でも人間はそんな生活を1週間ではなく、10万年以上続けてきましたわけです。縄文時代を一万年前とすると、10万年前とは、縄文時代から3000年続いた弥生、1000年の平安時代、300年の江戸時代、そして現代までを10回繰り返した長さです。 人間は他の動物と同じように、起きてから寝るまで、常に命を奪われる危険にさらされていました。いつ獰猛な動物に喰われてもおかしくはありませんでした。猟銃で退治することも、建物に逃げて身を守ることも出来ません。だからほとんどの人間の脳には、常に「命を奪われるかもしれない」という不安を抱える機能が備わりました。人間は数人から数十人ほどの集団で暮らしてきました。その中には、自分たちの集団のために、特に周囲の危険を気にして、危険かもしれない小さなことでも、危険を知らせる存在がいました。そのような人は、再び同じような行動をして人間が命を失うなんてことのないように、「もしもこうだったら、、、」と先々の予測を立てて常に警戒していました。 命を奪われる危険のほかにも、人間は生きるために何か食べなければ死んでしまいます。今ではスーパーやコンビニで、安全な食べ物が豊富にあります。その中で、どれにしようか選んで、そして買ったらすぐに食べられます。しかし確実に食べ物を食べられるようになったのは戦後です。まだ100年も経っていません。10万年前から、少なくとも米の栽培が始まった弥生時代までは、野山を探し続けたら、食べ物となる獲物が現れるかもしれない。きっとどこかに食べることができる果実があるかもしれない。自分たちが獰猛な動物に喰われないよう警戒する以外の目的でも、人間はいつも不安に加えて好奇心という機能を使って、周囲を見回しながら移動していました。そうすることで何かを見つけ次第、獲物を追ったり、木の実を手に取ったりすることができます。周囲を見回すとき、誰よりも広い範囲を動いたり、決して見逃さないよう、積極的にきょろきょろと見渡したりする。そして何かを見つけたら誰よりも素早く、瞬時に獲物に飛びつける存在がいました。 集団の中には、何か特定のことに対して強い興味関心を持つ者がいました。狩猟採集の生活での興味関心と言えば、「植物や動物の生態」「材料の活かし方」などでした。真剣に知識を蓄えた結果、その興味関心は生活するうえでのライフハックや、時には命を守る方法になるなど、生活するうえで大切な情報となりました。興味関心は自然に関することだけではありません。狩猟採集時代には殺人も日常茶飯事でした。というのも、別の集団の人間は、自分たちがいつも取っている食べ物の奪ってしまうかもしれない敵なのです。敵ではなく同じ人間だとすら認識していなかった、と記述していた本もありました。「狩りが得意な人が死んだ」「別の集団が襲ってきた」という悲しい情報は、集団生活で生きるために、特に重宝されました。そのため脳は悲しい話や不安を煽る話が大好きです。現代でも、人間は誰々が結婚した、子供が生まれた、といった嬉しい話題よりも、悲しい情報収集を優先します。例えば子供が事故に巻き込まれた、怒りと悲しみが混ざり合う情報。誰々が自ら命を絶ったという心が締め付けられる情報。こういった話題は強く頭に焼き付くようになっています。 ちなみに、こういった理由で、ニュースではネガティブな情報を流して視聴率を上げているなんて話を聞きます。というテレビの事情ですら、気になってしまう人がいるでしょう。「自宅の近くで事件が起きた」「生活に必要な物が値上げしている」も見てしまいます。 一見、ネガティブな情報が気になってしまうことは当たり前のように見えます。しかしこの時、少なくても体から「不安」というサインが出ていて、「自分は危険な状況にいるかもしれない」という脳の認識が強くなっています。不安になればなるほど、ネガティブな情報をとにかくたくさん知ろうとしてしまいます。2020年頃から感染症が世界中で流行しました。10万年の間で、人間は感染症で多くの命を落としました。そのため、感染が広がるとともに不安になる人やネガティブな情報に振り回される人が増えました。これも10万年前から脳が変化していない証拠が現れたものです。 悲しい情報や蓄えた知識、見たこと、聞いたことを、自ら積極的に話す者も必要不可欠でした。 話は少し変わります。狩猟や他の集団との喧嘩でけがを負っても、痛みを感じにくい存在は、他の人よりも勇敢に獲物を立ち向かえたかもしれません。何かを忘れやすい存在も、トラウマになりかねない狩りでの怖さや、大事な存在を失う悲しさが溢れる世界では、大切だったのかもしれません。 採集で得た果実の皮を、一つ一つ丁寧に剥いて調理したり、狩った動物の皮をいつもの手順で加工したりしていたでしょう。縁の下の力持ちとしてとして、毎日同じことを、集中して繰り返していた存在も大切でした。 その先の事を考えて不安を感じやすいまたは警戒しやすい人、誰よりも動き続けられる人、痛みを感じにくい人、強い興味を持つ人、同じことを繰り返しできる人。10万年間、そんな人たちが集団の中で能力もつ重要な存在として役に立つことで、人々は生き延びることに成功し、絶滅することなく今の私たちに命を繋げました。   悲しい事に、太文字で表した人々は、現在、「発達障害」という診断名の特徴で、診断された人の中には、強い生きづらさを感じている人もいます。ASDが広汎性発達障害、ADHDが注意欠如多動性障害です。 ASDの主な特徴は、特定の興味や趣味に非常に強い関心を持つ、会話が一方通行になりがち(自分の興味ばかり話す)、同じ行動やルーチンを繰り返す、特定の音、強い光、舌触り、匂いや肌触りに強い苦手、暑さ寒さや痛みに鈍感、コミュニケーションが影響して他者と協力して活動することが困難。ADHDはじっとしていることが困難で集中力が続かず気が散りやすい、忘れ物をしてしまう、計画や整理が苦手、静かにしていることが苦痛、計画を立てて行動できない。 もちろん診断を受けたすべての人が、これらすべての症状を持っているわけではありません。はっきりと特徴が出る人や、私のように診断を受けても自覚がない人まで、十人十色です。問題は、10万年間、人類を支えてきた重要な能力を持つ人が、現代では苦痛を感じやすい状態であることです。その苦痛から、うつ状態になってしまいます。   4.コミュニケーションが生きる術の現代 10万年前に集団を守った存在、現代でいうASDとADHDの特徴が現代に続いていると、脳や体はどんな反応を起こすのでしょうか。 周囲の危険に気にして、危険かもしれない小さなことでも、警報を鳴らすことができる存在は、集団のため、そして自らのために、警戒モードを解くことがなかなかできません。緊張している状態が続きます。人間の命を奪う要因がなくても。当時の集団のほとんどが血縁関係だったと思われます。一方で現代の集落は、会社や友人といったコミュニティです。だから仕事で初めて会う人は10万年前でいう「他の集団の人間」です。かつては食べ物を奪い合う存在でした。だから警戒モードを解くことが難しく、当分はストレス状態が続きます。「人見知り」という言葉でまとめられてしまうこともあります。しかし不安を強く感じる能力は、すべての人間に備わっています。初対面の人は、気付づかないうちに、誰でも緊張しています。そんなときはコミュニケーションを使って、お互いの情報を共有することで、敵ではないと思えるようになります。そして新たな集団に入ることができ、警戒モードが解けます。雑談などで仲良くなり、周囲に馴染むことで安心することができるということです。他人といても警戒する必要が無くなるのでストレスを感じにくくなることができます。一方、ASDの特徴「自分が強い興味を一方的に話す」「興味が他人に向かない」、境界知能で起こってしまう「言葉がうまく出ない」状態だと、情報交換ができず、他の集落の人間、敵のままです。このように、今も昔も、コミュニケーションは相手を敵と認識しなくなるために必要な行動です。コミュニケーションが困難だと相手は敵のままで、集団に入ることが出来ません。10万年前に集団に入れないと、生きてきことができません。一人で危険ばかりの自然の中を生き延びることは難しく「死」を意味します。その名残として、人間は他人と打ち解けられないと、強いストレスを感じるようになっています。 以下が「生きづらさを感じる原因」になってしまう特徴です。 【興味の偏り】10万前の興味の対象は、そのほとんどが生きる事に繋がったため、情報交換も簡単だったことでしょう。文明が進化して情報のジャンルが増えた今、乗り物やプログラミング、ゲームや特定のコレクションなど、興味の幅は数えきれない状態です。彼らの持つ専門性の高い知識は、共有しにくい情報となってしまい、情報交換、つまりコミュニケーションが難しくなってしまいました。 【多動性】常に止まることなく動いて食べ物を探したり、獲物が見つかったら飛び掛かったりできた人たちは、「集中することが困難」、「じっとしていることが困難」と言われ、ADHDと総称されています。小学校のときから体に備えられた「生きるために重要だった行動」を封印されてしまいます。頭では我慢しようとしても、体が勝手に動いて座り続けることが辛い、または衝動的に暴れたりしてしまい、返って危なくなってしまいます。授業やデスクワークでは長い時間座っていないといけない。動くことが生存率を上げる必要がなくなった今では、特徴を持っていない人からすると、変な行動、問題のある行動として見えてしまいます。現代の集団に属せず、ストレスを感じることにつながります。   【予期不安】同じような失敗を繰り返して、命を奪われる人間が増えないよう、「もしも○○だったら、、、」と先々の予測を立てて警戒する存在もいました。当時は空が明るいうちにどのように行動すればいいのか予測して考えていました。昼夜問わず、分単位で暮らすようになった現代では、さらに綿密な計画を立てないといけなくなります。そのうえで急な予定変更、例えば仕事でのクレームや私生活での急な出費。 【マルチタスク】狩猟採集で得た食料を調理したり、狩った動物の皮を加工したりと、同じことを長時間、繰り返していた存在は、いくつもの事を同時に進めないといけない時代で脳を酷使しています。マルチタスクという名の、同時にいくつもの事を行う動作は、やる事を変えるたびに脳の使い方を切り替えないといけません。脳は一度に二つの事を考えることが出来ないからです。その結果、何回も切り替えを繰り返す脳はエネルギーを消耗します。10万年前から、周囲を警戒しながら狩った肉が焦げていないか確認しつつ、採集してきたものを加工する。あくまでも予想ですが、当時もマルチタスクはあったと考えられます。現代はタスクの数が桁違いです。車の運転だと、周囲を見ながらハンドルを動かし、アクセルやブレーキを踏む。同時に音楽を聴いたり、ナビを見たりする。当たり前に聞こえますが、かなりのマルチタスクです。何より、最近は何をするにも「スマホ」という存在を意識しながら生きています。メッセージは来ていないか、SNSでの反応はどうなってるのか、そんなことを無意識に考えています。そうなると、ますます脳はエネルギーを消費します。 【境界知能】今までの仕事は体を動かすことがほとんどでした。 現代では頭脳を使う仕事の方が、収入につながりやすくなっています。処理速度や作業記憶、言語理解や知覚推理で、スムーズな会話、電話対応、複雑で難しくなっていく勉強、その中で自発的な行動をする、データを見てこれからどうするか考える。大きな数字を扱う。これらが必要となってしまっています。コミュニケーションをはじめとしたこれらの行為が苦手だと、脳は大量のエネルギーを使ってしまいます。寝ることは体を休めるために必要な事ですが、境界知能は、脳が疲れているので寝るだけでは休息できないことがほとんどです。そのため、うつ症状を起こしやすくなります。   5.うつ症状は体を守るために起こる。 何度も記述してしまいましたが、脳は危険な状況に晒されると、ストレスを感じるように出来ています。反対に、強いストレスを感じるということは、危険だらけの世界にいるということです。 ASDとADHDは行動に特徴があるので現代の集団(友人や職場)に入ることが難しかったり、集団の中で役に立てなかったりして、強いストレスを感じてしまいます。10万年間、孤独は命を落とす確率が大きく上がるからです。厳しい言い方をすると、ASDとADHDは、現代社会に適応できないということです。だからストレスに晒される量が人一倍多くなり、うつになる確率が高くなります。   強いストレスは自分を生き延びさせるために、様々な防御策を強引に行います。10万年間の間、命を落とす要因は感染症、殺人、餓死が大きな割合を占めてきました。しかしこれの原因で死ぬことがほとんど無くなった現代でも、ストレスを感じると感染症、殺人、餓死に備えようとしてしまいます。   狩りでケガをして、大量出血や傷に菌が入り濃化して死ぬリスクがありました。原因がケガでなくても、強いストレスを感じると倦怠感を引き起こして動けなくさせます。流行り病に対しては、感染した人と近くにいると、自分も感染する可能が上がります。そのため、ウイルスや菌を移される危険性が低い現代でも、ストレスを感じると人を避けようとします。毒や腐った食べ物で死ぬこともありました。これが食欲不振につながります。反対に飢餓で死なないよう、脳は意図せず食べ物をたくさん食べさせるかもしれません。 命を落とす原因の中には、猛獣に喰われることや、殺人がありました。敵に追われて、逃げることに失敗してしまうことです。生き物は命を狙われているとき、一時的に強いストレスを感じ、すぐ逃げられるように体が反応します。リラックスしている場合ではありません。すぐ逃げるためも、食事を摂らせないようにして、眠ることも許さず、そして機嫌を良くさせることもしません。そして襲われないよう、ますます周囲を警戒します。不安が増大させることで、身を守ろうとさせます。 何が何でも逃げないといけないときは、深く考え事をしたり何かを覚えようしたりしている場合でもありません。だから、記憶や思考の優先順位は低くなります。緊急事態のときに、のんびり本を読ませたり、英単語を覚えようとさせたりすることは至難の業なのではないでしょうか。私が受験生で文字が読めなくなったのは、脳がストレスから守ろうとしてくれた証でした。 8.   うつ病に向かっていることを示す体のサイン 「5.強いストレスが続くとうつを引き起こす」は、うつ症状が、体を守ろうとしてくれている反応だと紹介しました。決して怠けているだとか、やる気がないだとか、そんなことで起こることではありません。周囲に危険が迫っているからです。 しかしこの反応は、脳からの最終警告です。動けなくなると、現代では日常的に集団で生活しているわけではないので、返って生きていくことが困難になります。そこで大切になるのは、ストレスを感じていることを自覚することです。精神科に通う多くの人が、体からのSOSに気付かないそうです。実際、ASDやADHDの人、境界知能の人は、ストレスに晒され続けることに慣れてしまったり、一見普通に見えても、実は強いストレスを抱えていたりします。発達障害だと診断されていない人も、自分の状態を知ることは大切です。発達障害でなくても、仕事や学業で日々忙しく、睡眠不足で考える事がままならないと、やらなければいけない事が優先されて、自身の体の状態を知ることが後回しとなってしまいます。 体からのSOSは数えきれないほどたくさんあります。 まず交感神経が働きすぎているときにおこる症状です。「お腹の不調」「吐き気」「胃痛」「唾液がねばつく」「鳥肌が立つ」「動悸が起こる」「口の乾き」「汗をかく」「目が乾く」。 以外な症状として「何か違うことをしたい」「できるだけ早くその場を離れたい」「首の後ろや背中の筋肉に力がずっと入っているので、痛くなる」「手で物をいじる、髪をいじる、貧乏ゆすりをする」。脳が何らかの脅威から逃げないといけないと感じて起きている症状です。 感情の変化にも注意です。どうしても笑えない、嬉しく感じられない。楽しかったことが苦痛に感じる。イライラや怒りを感じやすくなった。自分を見下されたように感じる。他人が疑ってくるように感じる。意図せず不機嫌になってしまう。物悲しい。切ない。   7.サインを見つけたらどうする?  体のSOSを見つけたら、自分は危険な世界にいるので、「自分を危険に晒しているもの」を探します。仕事でのノルマや〆切、社内や家庭での人間関係かもしれません。生活費といった金銭問題は胃が痛くなるような問題でしょう。しかし意外な事に、人間を危険に晒しているものは、精神的な危険だけではありません。暑さ寒さ、騒音、不快な臭い、感染症や風などの体調不良。これらも10万年前は、命を奪いかねない要素で、私たちにとっては危険要素です。ホルモンバランスや体の痛みも、いつものからだのコンディションを悪くして、敵から逃げにくくしてしまうので危険要素です。ASDやADHD、境界知能の人は、さらに危険要素を感じやすい特徴があります。それに加えてコミュニケーションが実はうまく出来ずに苦しんでいる精神的なストレス。その特徴で寂しさや恥ずかしさを感じている事でしょう。集中しすぎて「眠気、空腹、寒暖差」などを忘れてしまう。音や光、匂いで疲れてしまう。そもそも疲れやすい脳の持ち主だということ。   明るすぎる光も、間接的に危険要素となります。それはスマホの使用です。ASDやADHD、境界知能でない人もそうです。寝る前のスマホは睡眠の質を下げる、とよく言われます。意図的に「警戒モード」を解く秘訣です。ブルーライトとは、快晴の日の日中に降ってくる光だそうです。寝る前のスマホの使用は、脳に「今は元気に活動する時間帯だよ」と勘違いさせて、入眠を妨げます。危険に晒されていた10万年前も、睡眠は大切でした。人間は8時間程度、猛獣に食べられてしまうリスクがある中、一日の3分の1の時間を寝ていました。睡眠は警報によって使い壊れた脳のゴミを排除するために必要だったからです。ほかの動物より高度な集団生活を送っていたからこそ、脳のゴミの排除は欠かせないことだったのです。またSNSは画面をスクロールしながら、大量の投稿の一つ一つを見て、自分が欲している情報かどうか判断します。欲しい情報かどうか、〇か×かを判断することは簡単です。しかし小さな判断を一日に数百回もすると、脳の疲れも蓄積されます。こういった脳の疲れが、体からSOSにつながります。そんなことを言われても、SNSは日々の辛さや苦しさから解放させてくれる生きがいとなっている人が多いと思います。寝る前ギリギリまで使用したくなる気持ちも痛いほど分かります。だからこそ少しでも睡眠の質を下げないように出来る、ちょっとした工夫があります。それは画面のスクロールをゆっくりすること。一気に情報が入ってくるのを防ぎます。判断もゆっくりになって、脳が急いで働かないようにさせます。そして可能な限り画面の明るさを下げる。寝落ちしないように気を付ける。などです。  体力があればあるほど、敵に襲われてもすぐに逃げやすくなります。警報も過剰になる事が無くなる。つまり運動をして体力をつけると、脳が緊急事態だと認識しなくなり、ストレスを感じにくくなります。そうして脳と体のコンディションが万全になります。 ASDやADHD、境界知能の人は、職場や人間関係でストレスを受けてしまいます。極力、体のコンディションと脳の機能を大切にしたうえで、できないことや苦手なことでストレスを溜めないように工夫してみます。境界知能は聞いたり見たりした情報をインプットして、瞬時に理解して、行動や話すといったこと瞬時に変換してアウトプットすることが苦手です。苦しんでいる特徴は昔から重宝された存在である証だということ念頭に、自分を責めないように気を付けます。そして現代で生き延びるために、自分の取り扱い説明書を作り、現代の特徴(仕事の内容とか指示とか、経験したこと)を書いた取り扱い説明書と照らし合わせます。そして慣れていく。これが生きやすくなるためのヒントで、うつ病を再発させない方法です。



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株式会社エルシード

住所:栃木県足利市八幡町2-7-14

電話番号:0284-70-3333

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