就労継続支援A型とB型の違いについて
利用を検討している方に向けて、就労継続支援A型とB型の違いを7点紹介していきます。どちらを利用するかぜひ参考にしてください。 1.就労継続支援とは 2就労継続支援の対象者は? 3.事業所の違いは? 4.働きながらどんな支援を受けられるの? 5.A型とB型の仕事内容は? 6.A型事業所またはB型事業所に通う手順は 7.まとめ 1.就労継続支援とは そもそも障害のある人の働き方は大きく分けて「一般就労」と「福祉的就労」があります。 街中にあるような一般的な企業、または特例子会社で働くことを「一般就労」といいます。ちなみに特例子会社とは、障害のある人の雇用を目的として作られた一般企業のことをいいます。 特例子会社ではない一般企業には、障害があることを公開したうえで働き方や仕事内容を配慮してもらう「障害者雇用」という制度もあります。 その一方で、市区町村の障害福祉サービスを利用し、特定の施設や事業所で労働をすること「福祉的就労」といいます。 福祉的就労の中には、一般就労へ向けて「就労継続支援」「就労移行支援」「就労定着支援」の3種類があります。どのサービスを選ぶかは自身の体調や目的によります。 この中の「就労継続支援」は、障害や疾患があっても働き続けられるよう、労働環境を用意してもらう福祉サービスです。この就労継続支援にA型とB型があります。 2.就労継続支援の対象者は? 就労継続支援の対象者は日常生活や社会生活の中で障害がある方を指します。 障害総合支援法によると障害のある方とは、 1. 身体障害 2. 発達障害を含む知的障害 3. 精神障害、 4. 300種類以上ある難病 のいずれかを持っている方となっています。もう少し細かく挙げると、 ●身体障害 視覚障害/聴覚・平衡機能障がい/音声・言語・そしゃく機能障害/肢不自由/内臓機能などの疾患による内部障害など ●知的障害 精神遅滞とも呼ばれている知的・発達障害のことです。 これは知的能力(IQ)が70未満の状態を指します。このような人は、倫理的な考え方や問題解決、また計画・抽象的思考・判断の低さから、学校や経験での学びが困難であることが大きな特徴です。また知的障害にはASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)、知的能力障害(知的発達症)も含まれます。 ●精神障害 精神疾患のため精神機能の障害が生じ、日常生活や社会参加に困難をきたしている状態のことを指します。症状が悪化すると、判断する力や行動のコントロールする力が著しく低下し、日常生活を送ることが困難になります。 主に統合失調症、うつ病、双極性障害、不安性障害、てんかん、依存症があります。 ●指定難病疾患 神経・筋疾患、消化器系疾患、循環器系疾患といった、治療の難しい300種類以上の疾患が含まれます。これらも、生活の質を下げる原因となるものです。 このように就労継続支援の対象者は幅広く、さまざまな方が利用できいるサービスです。 そして障害によって起こる日常生活や社会との関わりの困難は、特に働くことが重要な役割を果たしています。しかしフルタイムでの労働やマルチタスクの仕事は体調面や体力面から難しくなりがちです。そのため各々が自分にあった働き方で労働を継続してもらい、社会とのつながりを絶たれないことを目的として、就労継続支援があります。 3. 就労継続支援A型事務所とB型事業所の違いは? A型とB型の違いは障害や疾患の重さで決めるものではなく「雇用契約を結ぶかどうか」です。この働き方の違いがメリットやデメリットが生みます。 【収入の違い】 A型事業所は雇用契約を結びます。 そのためA型利用者と事業所は雇用関係になります。 この関係はアルバイトやパートと似ていて、働いた時間に応じて時給がもらえます。またA型では都道府県の最低賃金を下回ることはありません。そのため(契約内容にもよりますが、)A型事業所の利用者の多くの方は1日4~6時間、週に3~5日働いています。平均収入は月に8万円程度と、安定した収入を得られています。 一方でB型は事業者と雇用契約を結びません。 そのため事業所は支援者と利用者という関係で利用契約を結びます。収入は利用者の作業量に対して、給与ではなく「工賃」という形で支給されます。こちらは内職をするのと似ています。したがって平均月収は1,6500円で、A型に比べて1/5程度の金額となっています。 収入面を比較すると、支援を受けながらアルバイトと同じ程度の収入を望む方はA型が向いています。 【就労時間の違い】 収入だけに注目すると、B型の利用は好ましくないように思う人が多いでしょう。しかしB型は、契約を結ばないからこそのメリットがあります。それはA型に比べて体調に合わせた柔軟な働き方ができることです。 A型は雇用契約があるので「だいたい週に20時間程度働く」といった決まりがあります。そのため多くの日数を休む方、たとえば時間帯や天気、日によって体調に波が出てしまう人は、困難となってしまいます。そういった方にはB型事業所が向いています。体調不良で休んでしまっても、迷惑をかけたり契約を守れなくなったりする問題はありません。 A型の利用が向いている方は、短時間であれば安定して働くことができる方です。 つまり、B型は体調が優れなくても自分の体調に合わせた働きたい人が利用するのに対し、A型はサポートのもと、急に社会で働くことに自信がない方が利用します。どちらも仕事をするためのスキルや体調管理を身につけることができます。 3. 働きながらどんな支援を受けられるの? A型もB型も、身体に困難があっても仕事が続けられるように、事業所ではさまざまな方面から支援を受けることができます。 具体的には ・食事や健康管理、金銭管理など、日常生活のポートや生活スキルの向上のサポート(生活指導員) ・作業訓練や職業スキルの向上、作業の進捗管理など、具体的な業務スキルの指導や就労のサポート(職業指導員) ・利用者一人ひとりが必要とする支援内容の計画、またその調整をして、定期的な評価(サービス管理責任者) があります。 また事業所以外では、相談支援専門員から事業所の利用に関する相談や、生活に関わる問題解決の支援、関係機関との連絡調整などのサポートがあります。 5. A型とB型の仕事内容は? A型の仕事は一般企業と大きく変わりません。アルバイトのような仕事から正社員のような仕事まで多種多様で複雑な内容のものがあります。 たとえば ・書類作成をはじめ、ファイリングや伝票の整理といった事務作業 ・原稿入力、アンケート集計、各種データ作成等のパソコン業務 ・パンやクッキーなどの調理をはじめ、結婚式のブーケや、お菓子のようにカラフルな石鹸などのものづくり作業 ・カフェやレストランでのホールでの接客や皿洗いといった接客や販売 ・ホテルでのベッドメイキングや清掃業 です。 一方でB型の仕事は、A型よりも簡単な軽作業であることが特徴です。 たとえば ・パンやお菓子の製造 ・農作業 ・ミシン作業や手工芸 ・清掃業務 ・袋詰めや値札付け ・簡単なPC入力作業 ・製品の梱包作業 ・発送作業 です。 どのくらい体を動かすのか、作業をする場所は室内か屋外か、事業所の雰囲気、休憩場所はどのようなところか、どのような制服または作業着か、といった作業環境は同じA型事業所でもB型事業所でも大きく異なります。事業所を選ぶ際は、文字だけではなく、見学や体験でも自分に合っているかどうか判断することが大切となります。 ●A型事業所とB型事業所に通うにはどうすればいいのか? 【対象者の違い】 A型事業所とB型事業所は自治体が関わっている福祉事業のひとつです。そのため、通所するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。 A型は 1.特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、一般企業などでの雇用に結びつかなかった人 2.就労移行支援事業所などでの利用を行ったが、一般企業での雇用に結びつかなかった人 3.一般企業などでの就労経験があり、離職を経て現在は働いていない人。 に該当した人が通所できます。 B型は 1.一般企業などでの就労経験があるが、年齢や体力の面で一般企業などでの雇用が困難となった人 2.50歳に達している方 もしくは、障害基礎年金1級を受給している人 3.(上記のいずれかに該当しない場合)就労移行支援事業者などによってB型の利用が望ましいとされた人 に該当した人が通所できます。 A型B型のどちらも、健常者の利用はできません。またA型には年齢制限があり、原則18歳以上65歳未満となっています(ただし条件によっては、新規利用なら15歳から、新規利用でなければ、65歳以上も利用可能)。 それに比べてB型は年齢制限がありません。 【必要なものの違い】 A型は、障害者手帳を持っていなくても利用可能です。しかし手帳を持っていない人は、以下の「支援を受ける事の必要性」を証明するものが必要となります。 ・医師の意見書や診断書 ・自立支援医療受給者証 ・障害年金手帳 ・特別支援学級または特別支援学校利用の実績 B型は、障害者手帳または自立支援医療制度利用者証を持っている必要があります。 【通所までの手順とその違い】 1. 相談 A型もB型も就労継続支援の利用を検討している方は、 ・就労が可能な状態であるか ・障害者総合支援サービスを利用する必要性があるか などを主治医に相談します。そして就労継続支援の利用が適当と判断されたら、事業所探しをします。 このときA型は、障害を証明するものがなければ、支援を受けることの必要性を証明する「医師の意見書や診断書」を用意してもらいます。 一方B型は障害を証明するものをすでに持っていることが条件なので、この時に「医師の意見書や診断書用意してもらう必要はありません。 2. 事業所を探す 事業所は市区町村の障害福祉課窓口やハローワーク、民間サイトで探すことができます。 (民間サイトには障害福祉サービス等情報検索「独立行政法人福祉医療機構」があります。) 3. 事業所への応募と面接 A型事業所では就職と同じように、履歴書の提出や書類選考や面接があります。 なおB型事業所では、定員に枠があれば応募だけで済みます。 4. 市区町村で就労継続支援の利用申請を行う 利用する事業所が決まったら、住んでいる市区町村の障害福祉課で就労継続支援の利用申請を行います。このとき申請を許可してもらうために、市区町村から利用者へ、「サービス等利用計画」の作成依頼がきます。 また申請許可のために、役所の担当者や相談支援専門員から聞き取り調査があります。そのとき同時にサービス等利用計画書の作成を行います。 聞き取り調査やサービス等利用者計画の結果をもとに、自治体がサービスの利用が適切かどうか判断します。 就労継続支援の利用許可が下りた場合は、「障害福祉サービス等利用者受給者証」がもらえます。 5. 事業所と契約手続きを行う 受給者証を受け取った後は、就労継続支援事業所と利用に関する契約をします。このときに事業所とも利用の計画案を作成します。A型事業所はこれに加えて、利用者との雇用契約も行います。契約が完了したら事業所の利用がスタートとなります。 ●利用にかかるお金について 【利用料】 事業所は障害福祉サービスを提供する施設なので、通所するために利用料がかかります。利用料は病院のように、国や都道府県、市区町村が大部分を負担して、利用者が残りを支払います。使用者が払うべき金額は、基本的に1割程度となっています。 利用にかかるお金は、A型もB型も同じになります。 しかし利用者とその配偶者が二人とも、生活保護受給者または低所得者の場合、無料で利用できます。一方で前年に収入があった場合や、配偶者に収入がある場合は利用料が発生します。現在は、利用者の9割が無料でサービスを利用しています。 【利用料以外にかかるお金】 利用するときにかかる、交通費、昼食などの食事代、診断書等の費用は基本的には自己負担です。ただし、交通費は事業所が負担してくれるケースがあります。 7まとめ 就労継続支援とは障害や疾患のある人が働き続けられるよう、労働環境を提供する福祉サービスです。 A型は雇用契約を結んで働くのに対してB型は結びません。 雇用契約には労働時間の決まりや、雇用主と労働者の関係になることを取り決めるものです。そのため、A型とB型の違いは以下のようになります。 労働時間はA型の利用者は一定の時間を働く必要があるけれどB型は自由な時間で働くことができる。仕事内容はA型のほうが一般企業に近く、B型はA型よりも簡単で単純な作業が多い傾向。収入面では、雇用契約のもと決まった時間で働くA型の方が安定した収入である。雇用契約の有無で、体調が安定している人はA型、体調に波や不安がある人はB型が向いている。 A型もB型も、支援が必要と証明されるものが必要だが、特にB型は障害があるということを証明するものが必要。通い始めるために、A型は面接や書類審査があるのに対してB型はない。 これが就労継続支援A型とB型の違いです。 どちらも日常生活から職業スキルまで、幅広いサポートを働きながら受けられます。今の自分がどのような体調か、どのような働き方をしたいか、どのような将来像があるのか考慮して、A型・B型のどちらを選ぶか検討してみてください。
株式会社エルシード
住所:栃木県足利市八幡町2-7-14
電話番号:0284-70-3333
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